カスタムドールとは?
 (或いは世界に一つだけ(?)のドールの作り方について)


はじめに
  「ドール」とは何かと自分なりに考えてみた。
  まず「ドール」は「フィギュア」とは何が違うかと言う事。
  (1)「ドール」は可動する部分がある
  (2)衣装を着せ替える事ができる
  (3)髪型を変えたり、化粧をする事ができる(一部、できないものもある)
  まとめてみると、「フィギュア」は飾って鑑賞して楽しむもので、「ドール」は
  鑑賞する事も有るが、変化を付けて遊ぶ事ができる点が特徴だと考える。

  (ここでは、基本的に1/6サイズのもの22cm〜30cm程度のサイズのものを
    対象にしています。)

1.市販のドールの分類
   一概に1/6のドールと言っても複数のメーカーから完成品やカスタム用の
   パーツが販売もされている。自分で作りたい(カスタムする)ものがどの様な
   ものか決めないといけない。
  (女性ドール)
    販売されている完成品では、リカちゃん、ジェニー、バービー、
     クールガール・レディースミッション・女性兵士人形と
     サイズが大きくなっていく。
    パーツでも22cm用〜27cm用まで数種類販売されている。
  (男性ドール)
    女性ドールより種類は少ないが完成品ではリカちゃんやバービーの
    ボーイフレンドものが少しと、GIジョー等のミリタリーものが
    販売されている。
    パーツではボークスのNEOGUY、剛、青年、少年や、他のメーカーでも
    数種類のものが販売されている。
    
2.カスタムするレベル
   大きく分けて以下の4種類に分類される
   (1)すべて自分で作成する
   (2)パーツを組み合わせて作成する
   (3)市販品を改造する
   (4)衣装やアクセサリのみを作成する
   この中で(1)はかなりの手間隙と技術を要すると思われるので、(4)は
   今回の趣旨から少し外れるので省くこととする。

3.パーツの組み合わせで作成する方法ついて(その1:ヘッド)
   更にここでも細かく分かれる
   (1)髪の毛なし・無彩色のヘッドを使用する場合
   (2)髪の毛あり・無彩色のヘッドを使用する場合
   (3)髪の毛あり・彩色済みのヘッドを使用する場合
   ここで(3)は単なる完成品を組み合わせているだけなので省く。
   所謂ドールのカスタムはこの(1)か(2)の場合が最も一般的な
   ものである。

 3−1.髪の毛の対応(無毛ヘッド)
   まず、(1)の髪の毛の対応は主に以下の2つの方法に分かれる。
     @ウイッグの使用:ボークスや海外で販売されているウイッグ(鬘)を被せる。
     A植毛する:これもボークス・ノアドロームや海外で販売されているドール用の
           髪の毛を植える。
   当然の事ながら、Aの作業の方がかなり手間がかかる。ただし、ウイッグでの髪の色や
   形はそれ程の種類が有る訳では無いので、自分の気に入ったものが存在するかが問題
   になる。

 3−2.髪の毛の対応(髪型)
   次に考えるのは「髪形」である。ウイッグをそのままで使用する場合は必要無いが
   髪型を変えたり整えたりする場合は「お湯パーマ」で髪の毛に型を付ける事があり
   その場合は顔の塗装(目や眉や唇等)が剥がれる危険性があるので、こちらを先に
   行うのが一般的な手順になる。ただし、髪のカットは後でも問題ない。

 3−3.目の対応
   ドールの命は「目」だと言っても過言では無い。
   もちろん髪型や眉や唇とのバランスも重要ではあるが、カスタムドール作成で最も
   出来が左右されるのはここである。
   主に以下の3種類の方法に分かれる
   @アイペイント:絵の具(リキテックスやMr.Colorが良く使用される)と筆で
           直接ヘッドに描く。
   Aデカール  :市販のデカール(転写シート)の気に入ったものを付ける。眉も付いているので
           結構便利。
   Bドールアイ :ガラスやアクリルのドールアイをヘッドのアイホールに取り付ける。
           ヘッドに穴を開けてアイホールを作る場合もあるが、ボークスの
           ドルフィープラスの様に最初からドールアイ様のアイホールが作られて
           いるヘッドも有る。
   初心者はAのデカールをお勧めするが、少し慣れてきたら@のアイペイントも楽しい
   ものである。もちろんドールアイも違った楽しさが有るのでこれも良いと思う。
   ボークスのドルフィープラスはボディ+ヘッド、ウイッグ、ドールアイがそれぞれ
   数種類販売されているので組み合わせて作ってみるのも、プラモデル感覚で作成出来るので
   男性向きかもしれない。

 3−4.目以外の顔の対応
   もちろん髪や目が出来ても終わりでは無く、デカール以外の方法ではペイントするしか
   無いだろう。上記のリキテックスやMR.COLOR以外でもヘッドの材質に合えば問題ない。
   主に眉毛、睫毛、唇を描くことになるが、人間用の付け睫毛を少し切って使用する場合も
   ある。

 3−5.ヘッドの仕上げ
   ある程度、顔が出来たらそのままでも良いが、髪の毛をカットして整えてみると
   より良い出来になるだろう。
   また、黒子を付けたり、チークやシャドウ等の化粧をするのも面白い。
   まあ、試行錯誤してみるのも良いだろう。

4.パーツの組み合わせで作成する方法ついて(その2:ボディ)
   ヘッドが完成したら素体と呼ばれるボディに取り付ける事になる。
   ボディも色々な種類が販売されている。スレンダー系から巨乳・超乳まで
   また子供のボディも有り、色白・褐色等の肌の色の違いも有る。
   ここではヘッドに合ったものを選ばないとバランスが悪くなったり
   作成した意図と違ったものが出来てしまうので十分に気をつけなければ
   ならない。

5.パーツの組み合わせで作成する方法ついて(その3:衣装)
   やはり裸のままではいけない。市販の衣装で良いので着せてみよう。
   ただし、素体のサイズによっては合わないものがあるので注意しよう。
   背の高さと胸の大きさが特に注意すべき点になる。裁縫ができる方は
   ドール用の衣装の型紙が載っている本もあるし、自分で型紙からおこせれば
   好きなものが作れる。裁縫ができないが良い服が欲しい方はボークスや
   アゾンのショップへ行ったり、ドールイベントを見に行くと良い。

6.パーツの組み合わせで作成する方法ついて(その4:小物)
   これは無くても良いオプションの様なものになる。
   @オプションパーツ:流石に指先まで可動するものはほとんど無いが
             形が異なる手は販売しているものもあるので
             付け替えてみると面白いポーズを取らせる事もできるかも。
   Aアクセサリ   :衣装だけでなく、髪留めや小さなブローチ等を使っても面白い。
   B1/6小物   :最近は食玩等で精巧に出来ていて使えそうなものも多い。
             ドールイベントには使えるものが出品されているが多い。
   色々組み合わせてみると、後で写真を撮った時でもとても良い感じなものになり
   楽しくなるのだが、やり過ぎると何でもドールに使用できるかを考えてしまうので
   注意すること。特に100均ではその傾向が強いかも知れない。

7.市販品の改造について
   最も多いのがヘッドの改造、それもリペイントがほとんどになる。
   溶剤で元の彩色を消してしまい、新たにペイントする事になる。
   手順は消した後は上記のパーツを使った場合と同じになる。
   また、追加の植毛を行ったり、元の髪をすべて抜いてから再度
   植毛しなおす場合もある。
   最近ではクールガールやレディースミッションのリペイントを
   する方が増えている様だ。

8.個々の具体的なテクニックについて
   ここでは参考文献と主なサイトの紹介に留める。
   
    全般的なカスタムの方法:株式会社ノアドローム http://www.noix.co.jp/
    アイペイントの方法:「ぷうちいの小部屋」by ぷうちいさん http://homepage2.nifty.com/puutii/
    植毛の方法:「Lyrical MODE」by シィアルさん http://lyrical.main.jp/

参考文献
  ドーリィ・ドーリィ(Dolly・Dolly) Vol.1〜 
             株式会社グラフィック社 編集部 編

 アイペイントの方法、ドールアイの使用法、ドール服の型紙他
 各種市販ドールの紹介からカスタムまで
    ドルパファイル(DOLPA FILE) 株式会社ボークス 

ドルパファイル スペシャル(DOLPA FILE SP) 株式会社 講談社


  アイペイント、ヘアー・カット、お湯パーマ、植毛、ドール服作り等
  カスタムの仕方とドール作家の作品を紹介 
まるごとキャラドール!  株式会社メディアワークス

 
 ドール作家の白虎かなめさんの監修
  カスタムドール、市販ドールの紹介とドールカスタマイズの初歩から
  上級まで。カスタムの方法は、ボディ改造を含む一通りのものが
  紹介されている。
 
コスチュームドールコレクション 株式会社婦人生活社

 市販ドールの紹介とカスタムの方法の紹介
 撮影の仕方、画像加工の方法まで載せている。
わたしのドールブック ジェニー No.1〜  日本ヴォーグ社

 ジェニーサイズ用のドレスの作り方が型紙付きで載っている
 テーマ別に分かれている。


9.パーツ・道具等の購入方法について

  メーカーとしては以下のもの
    ヘッド・素体(ボディ):ボークス、ノアドローム、オビツ、アゾン
    ドールヘアー:ボークス、ノアドローム、その他輸入物
    ドールアイ:ボークス、その他国内物、その他輸入物

  販売店としては、それぞれのショップ・ネットショップ及び
  東急ハンズ、比較的大きな画材店・手芸店など
  
このリンク集も参考のこと。